常秋九十九折

主に恋愛ゲームのプレイ感想

2024年総括

2024年は1本もゲームをプレイせず……こんなことは10年以上無かったことなので自分がしたことなのにかなり動揺してます。

最後にプレイしたゲームは2023年の11月にやった「ONE.」の体験版でした。製品版ですらない。

そんな状況なので、積みゲーは過去最高に増えてしまいました。

  1. 蒼の彼方のフォーリズム(Switch)
  2. SWEET CLOWN 午前三時のオカシな道化師(Switch)
  3. パラノマサイト FILE23 本所七不思議
  4. マルコと銀河竜(Switch)
  5. 終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation-
  6. 華アワセ朔 蛟編
  7. 紙の上の魔法使い
  8. 水葬銀貨のイストリア
  9. クリアレイン
  10. GINKA(Switch)
  11. アオイトリ

11本もある……Switchを確認したら、とりあえずダウンロードした体験版も10本ほどありました。

いつ消化できるのか分かりませんが地道にやっていきたいです。

昨年は「ToHeart」と「D.C.」リメイクが発表されましたが、どちらもいつかプレイしたいと思っていた作品なので、よっぽどのことが無い限り予約して買う予定です。「君が望む永遠」リメイク版もSwitchに来て欲しい。

世の中はSwitch後継機の話題が出ていたりしましたが、まだまだSwitchで十分なテキストアドベンチャーしかやらないので後継機を買ってもオーバースペックになりそう。

PCゲームもPCを買い替えてやりやすくなったので手を出していきたい。「ヒラヒラヒヒル」で瀬戸口作品デビューしたいんだ……!

積みゲーを崩したい気持ちだけは誰よりあります気持ちだけは……しかし複数の作品を同時進行できないタイプで、自分の中で「頭文字D」と「MFゴースト」の物語がかなりの存在感で頭のど真ん中を占めているのでそこがちょっと落ち着かないと新しい物語を入れるのは無理かもしれない。「湾岸MIDNIGHT」もかなりゆっくりなペースですが読んでいるのでしばらくは車から離れられなそうです。走り屋とか車のチューニングを題材にしたギャルゲー無いかな……

お久しぶりです

全然このブログ更新できていませんが、全然ゲームプレイできていないので更新しようがないという(白目)

 

前の記事にも書きましたが「頭文字D」と「MFゴースト」にハマり、日々漫画やアニメを見返したり絵を描いたり漫画を描いたりプラモ作ったりしていると全く余る時間がないですね。それはそう。

好きなクルマはブリリアントブルーで純正フロントバンパーのS15です。

 

そろそろPCも買い替えないといけない時期なので、買い替えたら「クリアレイン」からプレイしたいなとは思っています。

 

ルクルさんの新作「プトリカ」楽しみです。Steam登録してない&携帯機の方が気楽にプレイできるので気が早過ぎますがSwitch移植されて欲しい。

ウグイスカグラ楽曲の配信も始まってありがたいことこの上ないですが個人的にはカラオケ配信もしてほしい(強欲)

 

最近Steamなどの全年齢ノベルゲー多くて嬉しいです。

積みゲーいつ崩せるか分かりませんが来年くらいには手がつくといいな…😂

2023総括

2023年は2月から11月までの間に9本のゲームをプレイしました。

  • ビルシャナ戦姫〜源平飛花夢想〜(Switch)

  • ビルシャナ戦姫〜一樹の風〜(Switch)

  • 9-nine-(Switch)

  • even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女(Switch)

  • 白昼夢の青写真(Switch)

  • イハナシの魔女(Switch)

  • エヴァーメイデン(Switch)

  • LOOPERS(Switch)

  • even if TEMPEST 連なるときの暁(Switch)

 


 

史実とファンタジーを巧みに織り交ぜた「ビルシャナ戦姫」シリーズ

高水準に突き詰められたキャラゲー9-nine-

容赦のない世界の中で希望が一層光る「even if TEMPEST」シリーズ

幾つもの物語が交錯した末に見えてくるもの「白昼夢の青写真

王道ボーイミーツガールに心洗われる「イハナシの魔女

箱庭の中で確かに芽吹く恋の行く末はーー「エヴァーメイデン

繰り返す毎日の中、仲間とひた走りつかむもの「LOOPERS

 

どの作品も一定のクオリティを保っていて、予想外に楽しめるものが多かったです。

特に刺さったのは「イハナシの魔女」「エヴァーメイデン」の2本でした。

 

完成度をランク付けするなら

  1. 白昼夢の青写真
  2. ビルシャナ戦姫
  3. 9-nine-

だったかなと思います。でもかなり拮抗している部分もあり、やっとつけた順位です。

 

エグい刺さり方したランキングを付けるなら

  1. エヴァーメイデン
  2. イハナシの魔女
  3. even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女

エヴァーメイデン」はとにかく世界観が素晴らしくて最高すぎました!「イハナシの魔女」も爽やかなストーリーが味わい深かったですし、「テン魔女」の容赦の無さは小気味よさすらありました。


 

11月から「MFゴースト」経由で「頭文字D」にもどハマりして、漫画読んだりアニメ見たり色々していたので12月からはゲームをする余裕が持てず……来年は積みゲー消化をメインに頑張りたいです。

even if TEMPEST 連なるときの暁 感想

【タイトル】even if TEMPEST 連なるときの暁
【発売日 】2023年10月26日
【メーカー】ボルテージ
【シナリオ】潮文音
イラストレーター】のりた

 

【個人的評価】68/100点
【総プレイ時間】約11時間
【攻略おすすめ順】後述します

 

 

※「このFD楽しかった!好き!」という方はこの記事を読まれないことをおすすめします※

 

 

テン魔女本編が楽しめたのでFDも予約しました。

乙女ゲームでFDを買ったことが10回も無いので自分自身の経験不足もあると思いますが、少しクセのある仕上がりに感じました。

 

まずはネタバレ無し感想ですが、ちょっと踏み込んで書いています。ネガティブ要素もあり。

 

FDなのですが、前作同様今作も容赦のない展開がかなりあります。

各キャラの後日談にあたるLove Storiesも即バッドエンド選択肢がありますし、テン魔女らしくただ甘いだけではないので注意が必要かも。

本編からのifルートであるThe Fellowshipもみんなでワイワイしてるだけではありません。

Side Storiesは敵対していたキャラクターのものが多いので半分は悲しいor悲惨な内容に。

 

攻略おすすめ順ですが、好きにプレイするのが1番というのは一旦置いておいて、開放順的に Love StoriesThe FellowshipSide Stories の順番になるかと思います。

Love Storiesは甘さが二分されている印象でした。

大まかに

クライオスティレルルーシェンゼン

という風に個人的には感じました。

ルーシェンゼンそれぞれのルートの甘さを控えめに感じてしまったのはちゃんと理由もありますが「全員推しだからとにかく甘く終えたい」という方はクライオスティレルをラストにすると良いかも。でもゼンは前半には向かない気もする……悩ましい。

 

The Fellowshipアナスタシアが追い詰められる様なシーンがあり、FDだからと気を抜けません。

Side Storiesもラストにはマヤイシュを持ってくると後味よく終われそうです。自分はコンラッドのものを最後に解放したので何とも言えない後味でした。でも好きな方は刺さる内容だと思います。

 

Side Storiesは程よいシナリオの長さに感じましたが、それ以外は駆け足な印象です。

もうちょっと色々なシーンに補足や余裕があったら嬉しかったなと、そこは少し残念でした。

 

色々と書きましたがサブ含む各キャラクターの魅力は健在ですし「幸せで甘いだけのFDではない」ことが気にならなければ買う価値のある作品だと思います。

 

ちゃんと前半に甘かったり幸せなシーンもあるのですが、自分の場合は後半の殺伐とした展開にそれらが上書きされてしまったためネガティブなイメージが強く残ってしまったようです。本編が楽しかったので期待が必要以上に上がってしまっていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次にネタバレあり感想。ここもネガティブ要素あり。

 

自分はLove Storiesを本編と同じ攻略順で、クライオスティレルゼンルーシェン とプレイしました。

前半2人はシナリオに気になる点もあったのですがきちんと甘く(やっぱりFDだな)と納得していたのですが、次のゼンルートはゼンの抱えるものが色々とあったので純粋に2人の気持ちが通じ合った上での甘さは控えめに感じました。

唐突なジャンル変更か!?と思う場面もありそっちにも気を取られてしまった。

ルーシェンルートはルーシェンのキャラクターもあり微笑ましい甘さだなぁと思っていたらラストに唐突な■■未遂シーンがあり、それで今まで感じた甘さが吹っ飛んでしまいました。あのシーンも必要だったとその後のシナリオを読むと理解できますが、FDのアフターストーリーにはあまり入っていて欲しくはないシーンだったので複雑な心境です。

 

The FellowshipLove Storiesティレルルートと共通した存在が登場しますが、その存在が何とも言えず露悪的で印象があまりに強かったのでモヤっとしてしまいました。

Side Storiesその存在のことは補足されるので一応納得はありますが、あまり好きにはなれない造形でした。

 

今作は全体的に過去回想や世界観・設定の開示が多かったと感じました。

その過去やシナリオ展開が悪意からくる悲惨な内容だったりするのも「テン魔女らしい」と言えばそうなのですが、自分がFDに求める「みんなが幸せになった姿を見たい」という気持ちからは遠く、自分には合わなかったことは本当に残念です。

 

あと前作から地味に気になっていた点「作中人物の語彙が現代的なこと」なのですが、今回開示された世界観から考えるとシナリオライターさんはあえてやっていた……?

でも「牛バラ」とかは現代的かつ庶民的、具体的すぎるような……どういうことだったんだろう。

 

LOOPERS 感想

【タイトル】LOOPERS(Switch版)
【発売日 】2022年6月2日
【メーカー】プロトタイプ
【シナリオ】竜騎士07
【イラスト】望月けい

 

【個人的評価】68/100点
【総プレイ時間】約2.5時間
【攻略おすすめ順】選択肢無しです

 

key作品をほとんどプレイしたことがないので、ロープラ短時間作品ということもありkey入門作として購入しました。

 


まずネタバレなし感想です。

流石のkey安定のプロトタイプなのでグラフィック、UI、音楽、演出、システムは全く不安なしです。安心感の凄まじさがすごい。

ボーカル曲が3曲もあるのと、序盤に2回もムービーが入るのもメーカーのやる気と資金力を感じました。映像もオシャレ。

グラフィック担当に原画の望月けいさんも参加されているので、塗りのクオリティにばらつきがあるということも無かったです。

これだけ各要素に安定感があると個々人によって評価が分かれる点はシナリオシナリオの長さだけになるのではないでしょうか。

シナリオの内容はわりと熱血系。そしてハッピーエンドです。

短いながらもストーリーはちゃんとまとまっていて伏線も回収されます。

シナリオの長さは、自分のテキスト一括表示、ボイスはほとんど聞かないプレイスタイルだとかなり短いと感じました。

ボイスをちゃんと聞けば8時間ほどらしい(参考までに)

この作品に興味があってPCを持っているのなら約1000円安いPCのDL版を買うのがおすすめかも。

CS版の追加要素は多言語対応だけで内容に変化は無いようですし……ですが自分のプレイスタイルに合ったプラットフォームのものを選ぶのが一番大事かなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからネタバレあり感想。ネガティブ要素ありです。

 


冒頭ホラーっぽい唐突な流れがあったのでちょっとそこでストレスは感じてしまいました。竜騎士07さん作品も初めてだったのでテキストに慣れるまで少し時間がかかり、最初のうちは(早く内容進んでくれ…)と辛いものはありました。

シナリオが短いのでサブキャラの印象が弱くなりがちだったりはしましたが、展開が早いとはあまり感じませんでした。

ラストはほぼメインの2人の話なので内容の積み重ね(共通ルート的な部分)もこの程度で丁度いいかなという感じ。

あまりサブキャラ掘り下げても仕方ない&でもこの作品にはわちゃわちゃ感が必要、となるとベストな作りになっているのではないでしょうか。

手軽に感動的なノベルゲーがしたい方にはおすすめできますが、物語の積み重ねから来るラストのカタルシスが好きな方にはおすすめしかねる小品。

個人的にはシナリオが予想外に短かったことと、登場人物の感情の発露がとにかく大きい(何かと叫びがち)ことが合わず残念ながら好きにはなりきれませんでした。

でも感動的なシーンもあり、各種のクオリティは安定して高いので刺さる人にはきちんと刺さるポテンシャルの高い作品だと思います。

ただただ自分に刺さらなかったことが残念。

 


何だかんだ描きましたが「LUNARiA」と「終のステラ」も買う予定です。

エヴァーメイデン 感想

【タイトル】エヴァーメイデン〜堕落の園の乙女たち〜 Switch版
【発売日 】2023年4月27日
【メーカー】エンターグラム
【シナリオ】海原望
【原 画 】大石竜子

 

【個人的評価】85/100点
【総プレイ時間】約10時間
【攻略おすすめ順】なし

 

好きな「徒花異譚」スタッフの作品が移植と聞いてすぐ予約しました。
百合ゲーは初めてだったので、正直自分に合うかどうか不安もあったのですが杞憂でした。

ライアーソフトを信じろ。

 

 

 

まずネタバレなし感想です。


最初は全てが謎に包まれている上にファンタジーのようなSFのような世界観に混乱して、プレイ開始1時間ほどはとにかく読み進めるしかない状態でした。
プレイしていて嬉しかった所が1つ……マップ画面がマップイラストもアイコンも可愛くてすごく可愛い!こういう雰囲気大好き!!
こういうテイストのイラストの雑貨が欲しくなる可愛さで、毎回マップ移動が楽しみになりました。可愛い……
マップ移動を何回か楽しんだ後、ストーリーが本格的に動き出したあたりからグッと惹きつけられて「エヴァーメイデン楽しーーーー😂」となってました。あまりにも世界観が良い。


「百合は絶対に無理」という方以外だったらSFが好き、切ないストーリーが好きな方にオススメしたい。

最後の最後はちゃんとハッピーエンドなのでそこは安心です。


シナリオの文体が少し独特なので、不安な場合は体験版で合うかどうか判断した方がいいかも。
個人的にはシナリオ文体にはすぐ慣れましたし、詩的なテキストが美しくてそれが今作の大きな魅力でもあるのでぜひ体験版、製品版問わず触れて頂きたいです。

 

 

 

 


ここからネタバレあり感想です。未プレイの方は閲覧非推奨です。

 

 

 

物語の構成が上手くて快感ですらありますね!
1章で世界観提示、2章でショッキングな出来事、3章で謎解き&引き続いてショッキングな出来事が起きて、4章で様々なことが明らかに。息もつかせぬ展開に読み進める手が止まりませんでした。
「徒花異譚」でもそうでしたが背景もCGもテキストも美しくてスクショが止まらない。
特に乙女たちの哀切に満ちた言葉は切なさに胸を締め付けられながらバシャバシャスクショ撮りまくってました。

 

2章をクリアした後は「うそでしょ😭」しか言えない生き物になっていました。
予想はできてもまさか本当にそうなってしまうとは思わなかったのもありますが、マコーの望んだものがあまりにも健気で切なすぎる……マコーとパヴォーネの気持ちは伝え合うことすらできないのか……無情すぎる。
禁断の園に芽吹いた愛のなんと眩しく儚いことよ。

 

3章からは謎解きパートも挟まれて、段々と世界観の謎が明らかになってさらに夢中に。キャナリーとロビンの接近もキャナリーの気持ちが報われたようで嬉しかったです。
そして唐突に訪れたアレ、オタクの大好物「2人だけの結婚式」!! ……でしたが、2人の間にある隔たりが今までより明らかになってしまうのが悲しかった。
その直後に起きたことがアレだったのも、もうやりきれなくて、悲しいわ……
せめてもの救いは2人が一緒だったことと、お互いの気持ちを伝え合えたことですが、いやでもそんなのってないよ……😭
悲しみを引きずりながら読み進めた先で明らかになったパヴォーネの異変(?)の理由にも驚かされました。いやでもそんなのってないよ!?(2度目)
そんな、パヴォーネの気持ちを踏みにじるようになることが、アドラーがパヴォーネに命じたあの行為にあったなんて。つら。

 

4章からは本格的に伏線が回収され、謎が明らかになっていきました。
あの恐ろしいアレの正体には全く想像及ばずびっっっくりしてしまいました。でも明らかになるととても悲しい存在。
パヴォーネのマコーへの気持ち、女性向けコンテンツにいる「ナンパだけど実は真剣に恋したことがなくて、いざ本気になるとすごく一途でギャップが破壊力高いキャラ」に似たところある。栄養価が高くて美味しい~でも百合ならではの旨みで新鮮。

 

最初のエンディングはアヴェルラエンド。彼女もまた必死に生きながら、この学園の中でも大きく歪んでしまったのだなぁ、としみじみ切ない。
次のエンディングではルクが……

 

その後に真実が開示されました。オルロ、ただ者ではないだろうなと思っていましたが、まさかの正体で、夢現入り混じるシナリオの理由までも判明して唸りました。
大石竜子さんのロマンチックな絵も、夢と現実の境を曖昧に感じられるタッチで本当にシナリオとの親和性が高い。

 

そしてバッドエンドを経てトゥルーエンドクリア。
もーーーー本当にアルエットとルクが運命の2人すぎて泣く。想像しえなかったハッピーエンドで更に泣く。

 

EXシナリオ、本編の補完やifのストーリーが読めて本当にありがたかったです。
「誰がための祝祭」はルクの変化とアルエットへの言葉が本当に嬉しくて泣きそうでした。
「つぎはぎだらけの夢」はアヴェルラへの愛しさが募る内容で、でもルクのことを思うとこのストーリーを全面的に支持することもできなくてもどかしいのですが良いものでした。
EXシナリオでは特にこの2つが好きです。
アルエットとルクが運命なのはもちろん前提なんですが、アルエットをめぐる、氷のように静かなルク燃え上がる炎のようなアヴェルラの対比が素晴らしくて素晴らしくて……ルクアル・アヴェアルどちらも尊い🙏
マコーとパヴォーネ、キャナリーとロビンも尊い尊いCPしかいない素晴らしいゲーム。

 

キャラクターは全員好きですが、アヴェルラが1番好きかもしれません。パヴォーネもかなり好き。
CPはどれもみんな大好きで1番は決められないです。

 

もしこの作品に欠点があるとすればシナリオが短いことでしょうか。もっとプエラリウムの世界を味わっていたかった。もっとみんなが過ごす日常を見ていたかったです。


切ない恋愛が特に自分には刺さりました。異造化した乙女たちの胸に迫る台詞を聞くたびあまりにも切なくて、彼女たちがした恋の美しさにため息が出ました。
アダルトなシーンがカットされたCS版だったのも百合初心者には合っていたみたいです。

 

この耽美な世界、もっと多くの人に触れてもらいたい気持ちでいっぱいです!
クリアして即サントラと設定資料集買いました。

サントラはどの曲も美しくて好きですし、設定資料集は細かい補足やSSがかなり嬉しい。

アクリルスタンドとかも欲しいですね……アルエットのアクスタをルクとアヴェルラで挟みたい……🧊💐🔥

イハナシの魔女 感想

【タイトル】イハナシの魔女(Switch版)
【発売日 】2023年4月28日
【メーカー】KEMCO
【シナリオ】森
【原 画 】むじ

 

【個人的評価】79/100点
【総プレイ時間】約8時間
【攻略おすすめ順】なし、一本道です

 

キービジュアルの絵柄がかなり好みだったので、存在を知ってすぐ予約しました。

ボタンの配置が一般的なCSテキストアドベンチャーと少し異なるので最初は戸惑いましたが、すぐ慣れました。

システムはバックログからのシーンジャンプ、前後のチャプターまでのシーンジャンプ機能があると個人的には嬉しかったです。

 

 

 

まずネタバレなし感想です。

 

王道ボーイミーツガールだった最高!!🙌

ボーイミーツガールが好きな方は買って損なしかと。

サクッとプレイできて中身しっかりでおまけ要素も充実、お得感満載です。

値段分の価値はあるので、もしこの記事を読んでいて未プレイならすぐにソフトを購入することをおすすめします。

選択肢も出現しますが「セーブが必要ない選択肢」しか出ないので、攻略には困りません。

見て分かるイラストの良さだけでなく、シナリオの良さはCS移植されていることで証明されていますし、購入を迷っているなら思い切って買って早くこのシナリオに触れて頂きたいという気持ちでいっぱいです。良かった本当に。

ーー販促ここまでーー

 

実は過去にPS Vitaで購入したインディーゲームに苦い思い出があり有料インディーゲームを避けてきたのですが、評価の高さと前述の絵柄の味わい深さ、あとケムコさんへの個人的な信頼感で予約を決意。

夏ゲーっぽかったので酷暑の今こそやるべきかとプレイ開始しました。

 

個人的にテキストアドベンチャーをプレイする際の楽しみの1つが「綺麗な背景イラストのスクショを撮ること」なので、写真を加工した背景でそれが出来なかったのは少し残念。

ですが全背景新たに描き起こすわけにもいかないでしょうし、立ち絵との違和感も無いので問題はないです。それに今作はモデルとなった土地があるので、写真背景にする理由や必要性もあり。

シナリオと背景画像の整合性の無さが目立つ部分も少しだけありましたが、これは仕方ないかと。

 

モバゲー版「アイドルマスターシンデレラガールズ」のパロディがあったのにはホロリとしてしまいました。円満だったけど2023年3月30日にサービス終了してしまっているんだ……🥲

 

演出も楽しいものが多く、ライトなテキストと相まって軽やかなプレイ感で楽しめました。ただ殴るような音のSEが多々入るので、最初は(実際に殴っているのか?)と混乱しましたが、ほとんどがボイスの無いキャラクターの口調の勢いを表したものでした。

ボイスのあるメインキャラクターはみんな、声優さんの声質や演技がキャラクターを引き立てて魅力的に仕上がっています。キャスティングがぴったり。

 

プロローグ含め4つの章で成り立っていますが、2つめの章3つめの章現実と地続きの普遍性のあるテーマで描かれていると感じました。ラストの章は大きく物語が動き、普遍性のあるテーマも内包しつつ伝奇的展開に。

3つめの章はプレイしながら思わず泣いてしまいました。この章に限らず、どの章にも胸に迫るシーンがあります。

 

舞台となった沖縄のことを恥ずかしながら、毎年夏にテレビで放送する戦争番組の内容程度でしか知りませんでした。御嶽も神聖な場所らしいというぼんやりした認識しか無かったのですが、写真背景と分かりやすい説明で世界観が分からず困ることはありませんでした。

 

辛い展開もある今作ですが、乗り越えた先のエンディングは爽やかで心から登場人物たちを祝福できる幸せなものでした。本当にその幸せを掴み取れて良かった……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからネタバレあり感想です。未プレイの方は閲覧非推奨です。

 

アカリの章では「継ぐものがある家に生まれること」「自身の夢」「親から子への愛」が描かれていて、使命がありながらも夢を諦めないアカリの姿にプレイしているこっちが励まされてしまいました。

田舎に限らない話ですが、家から望まれた在り方しか許されない子どもは今もいるし、それで苦しんでいる人たちも多くいることと思います。

〝田舎の名家に生まれる〟ということは便利な面もないわけではありませんが、上記の苦しみも背負うことになり、正直かなり辛い立場でもあると常々思っています。そして在り方を自分で決められない辛苦は当人でなければ分からない。

しかしアカリは名家の生まれにあぐらをかかず、思考放棄せず、夢を自力で掴み取ろうと苦しみあがいて見事夢を叶えます。その姿こそゲーム内に限らず努力を見てきた人間へのエールそのものでした。

アカリの両親が実はちゃんとアカリのことを愛して守ろうとしていたことも嬉しかった。赤摘家はちゃんと「家族」だったよ……

 

紬の章では「現状の上手くいかなさ」「家族への後悔」が描かれていて、こう、もう、泣いた😭

必死になればなるほど、どの仕事も長続きせずクビになってしまう負のループから抜け出せない紬。焦りと惨めさばかりがつのるであろうその姿に自分を重ねることは容易でした。

そして紬がすがっていたノートの真実。大きな恩を受けたのに何も返せないまま亡くなってしまった祖母への申し訳なさ、情けなさ。そこから生まれる漠然とした「立派な人間にならなければならない」という強迫観念。「自分のことかな?」と思うほど紬の心理に同調していきました。

なのでリルゥにより紬が自縄自縛から解放されたシーンでは涙を止められませんでした。

死者との対話はイタコなどを代表として、多くの人々が長年望み、行おうとされてきた行為です。身近な存在を亡くし「あの時こうしていたら」「もっと言葉を交わしていたら」「せめてもう一度だけ会いたい」と後悔を抱えた人たちがこの世にいなかったためしはないでしょう。

そんな人たちにとって、死者から「あなたが幸せであればそれでいい」と言ってもらえたら、それは何にも勝り救われる言葉ではないでしょうか。

紬だけでなくこちらも救われたような気がして、これからの人生を亡くしてしまった大切な人の為にも大切にしていこうと素直に思えました。

祖母という立場なのも上手いと感じました。心理的な距離が両親より遠くなりがちな分、プレイヤー側でも祖父母が亡くなった時に「もっと話しておけばよかった」「もっと真摯に相手になっていればよかった」「もっと会いに行けばよかった」といった後悔や後ろめたさを感じた方は多いのではと考えます。自分はまさにこれだったので気持ちが入り込みやすく、余計に紬が救われたシーンでは心を動かされました。

まぁその、実は◯◯じゃありませんでした……という事実がのちに明らかになるのですが、この時には知るよしもなく。

 

そしてついにリルゥの章。今までとは違いファンタジーな内容が展開されていきます。しかし浮ついているかと言うとそうではなく、しっかり説得力のある描写で今までに張られた伏線がちゃんと回収されていくのは見事でした。

段々とリルゥの状態が悪化していく中、それでも光と2人なんとか生きていこうとしますが、この2人の状況では上手くいくはずもなく。ここからは辛い展開が続き、どう着地するのかハラハラしながらプレイしていました。

「恋人がいくばくもない余命を突きつけられ、なんとかしようと足掻くもどうしようもなく、周囲の人たちも大切なその2人の為に力を尽くすがどうにもならない」こう書くと創作物ではよくあるストーリーですが、その先は今作のオリジナリティが光りつつ王道ど真ん中な展開で、切なさや温かさに爽快感まで感情のジェットコースターでした。

本当になんて爽やかな幸せに溢れるエンディングなんだ……テーマソングもじんわりしみる素敵な曲で大満足なラストでした。

リルゥが異国情緒溢れる見た目や魔術を使う反面、ぱっと見は普通に見える光も実は人からは見えない苦しみを抱えていたりとどのキャラクターもギャップがある故の厚みがあるの、ライターさんの筆力をまざまざと感じて心地よかったです。厚みのある物語は良いものだ。

本編クリアして終わりかと思いきや、第二部と言っても過言ではないおまけ要素が開いた時はあまりの量に嬉しい悲鳴でした。

本編を補完するシナリオに設定資料や裏話までモリモリで、Appendも1つ1つの話は短いながら無駄のない構成でプレイヤーが見たかったものを見せてくれたなと。

面白さのあまり一気にプレイしてしまったので読み飛ばしてしまった所もあるかもしれないのですが、光の眼の病気(?)の情報はもう少し欲しかった……本当にちょっとで良いのであると納得感が増した気がします。

あと小さなことなのですが「自棄」を「やけ」とは読ませず「じき」のルビだったのは「やけ」と「じき」の意味を厳密に分けているから、なのでしょうか。「自棄はやけ読み」派だったので出てくるたび(や……じゃなくて じき)と読み直していました。

 

イラストは良いけどインディーゲームだからなぁ、と身構えてプレイ開始した時には思いもよらないハイクオリティなゲームでした。UIがちゃんと見やすくオシャレなの、地味にポイント高いです。やっぱり「ゼロ年代初頭のゲームかな???」となるUIよりオシャレかつ見やすいものの方がストレス少ないですものね。

 

それにしてもラストの壁越しのシーン好きだったなぁ……特に指輪のシーンがグッッッと来ました。世界を救うのが「◯」なの、くさくなりがちですがくさくない塩梅なのも上手い。

異文化交流王道ボーイミーツガール夏物語は良いものだ🙌