常秋九十九折

主に恋愛ゲームのプレイ感想

even if TEMPEST 連なるときの暁 感想

【タイトル】even if TEMPEST 連なるときの暁
【発売日 】2023年10月26日
【メーカー】ボルテージ
【シナリオ】潮文音
イラストレーター】のりた

 

【個人的評価】68/100点
【総プレイ時間】約11時間
【攻略おすすめ順】後述します

 

 

※「このFD楽しかった!好き!」という方はこの記事を読まれないことをおすすめします※

 

 

テン魔女本編が楽しめたのでFDも予約しました。

乙女ゲームでFDを買ったことが10回も無いので自分自身の経験不足もあると思いますが、少しクセのある仕上がりに感じました。

 

まずはネタバレ無し感想ですが、ちょっと踏み込んで書いています。ネガティブ要素もあり。

 

FDなのですが、前作同様今作も容赦のない展開がかなりあります。

各キャラの後日談にあたるLove Storiesも即バッドエンド選択肢がありますし、テン魔女らしくただ甘いだけではないので注意が必要かも。

本編からのifルートであるThe Fellowshipもみんなでワイワイしてるだけではありません。

Side Storiesは敵対していたキャラクターのものが多いので半分は悲しいor悲惨な内容に。

 

攻略おすすめ順ですが、好きにプレイするのが1番というのは一旦置いておいて、開放順的に Love StoriesThe FellowshipSide Stories の順番になるかと思います。

Love Storiesは甘さが二分されている印象でした。

大まかに

クライオスティレルルーシェンゼン

という風に個人的には感じました。

ルーシェンゼンそれぞれのルートの甘さを控えめに感じてしまったのはちゃんと理由もありますが「全員推しだからとにかく甘く終えたい」という方はクライオスティレルをラストにすると良いかも。でもゼンは前半には向かない気もする……悩ましい。

 

The Fellowshipアナスタシアが追い詰められる様なシーンがあり、FDだからと気を抜けません。

Side Storiesもラストにはマヤイシュを持ってくると後味よく終われそうです。自分はコンラッドのものを最後に解放したので何とも言えない後味でした。でも好きな方は刺さる内容だと思います。

 

Side Storiesは程よいシナリオの長さに感じましたが、それ以外は駆け足な印象です。

もうちょっと色々なシーンに補足や余裕があったら嬉しかったなと、そこは少し残念でした。

 

色々と書きましたがサブ含む各キャラクターの魅力は健在ですし「幸せで甘いだけのFDではない」ことが気にならなければ買う価値のある作品だと思います。

 

ちゃんと前半に甘かったり幸せなシーンもあるのですが、自分の場合は後半の殺伐とした展開にそれらが上書きされてしまったためネガティブなイメージが強く残ってしまったようです。本編が楽しかったので期待が必要以上に上がってしまっていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次にネタバレあり感想。ここもネガティブ要素あり。

 

自分はLove Storiesを本編と同じ攻略順で、クライオスティレルゼンルーシェン とプレイしました。

前半2人はシナリオに気になる点もあったのですがきちんと甘く(やっぱりFDだな)と納得していたのですが、次のゼンルートはゼンの抱えるものが色々とあったので純粋に2人の気持ちが通じ合った上での甘さは控えめに感じました。

唐突なジャンル変更か!?と思う場面もありそっちにも気を取られてしまった。

ルーシェンルートはルーシェンのキャラクターもあり微笑ましい甘さだなぁと思っていたらラストに唐突な■■未遂シーンがあり、それで今まで感じた甘さが吹っ飛んでしまいました。あのシーンも必要だったとその後のシナリオを読むと理解できますが、FDのアフターストーリーにはあまり入っていて欲しくはないシーンだったので複雑な心境です。

 

The FellowshipLove Storiesティレルルートと共通した存在が登場しますが、その存在が何とも言えず露悪的で印象があまりに強かったのでモヤっとしてしまいました。

Side Storiesその存在のことは補足されるので一応納得はありますが、あまり好きにはなれない造形でした。

 

今作は全体的に過去回想や世界観・設定の開示が多かったと感じました。

その過去やシナリオ展開が悪意からくる悲惨な内容だったりするのも「テン魔女らしい」と言えばそうなのですが、自分がFDに求める「みんなが幸せになった姿を見たい」という気持ちからは遠く、自分には合わなかったことは本当に残念です。

 

あと前作から地味に気になっていた点「作中人物の語彙が現代的なこと」なのですが、今回開示された世界観から考えるとシナリオライターさんはあえてやっていた……?

でも「牛バラ」とかは現代的かつ庶民的、具体的すぎるような……どういうことだったんだろう。