常秋九十九折

主に恋愛ゲームのプレイ感想

ビルシャナ戦姫FD 感想

【タイトル】ビルシャナ戦姫 ~一樹の風~
【発売日 】2022年3月31日
【メーカー】オトメイト
【シナリオ】伊東愛 他2名
【メインキャラクター原案】羽田浩二

 

【個人的評価】80/100点
【総プレイ時間】約14時間
【攻略おすすめ順】なし(詳細後述)

 

前作「ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~」がかなり面白かったので、それをクリアした勢いでFDも購入しました。

 

機能面は、前作で遅くなっていた戦闘シーンや回想シーンでの動作が改善されていたのがストーリーへの没入感をさえぎらず地味に快適でした。
スキップも速くなっていた気がします。ジャンプ機能は使わなかったので改善したかは不明。

 

攻略おすすめ順ですが「切ない物語よりかは甘くゲームを締めたい」という人は正規ルートの後に後日談を回した方がいい、くらいしかありません。正規ルートも好きな順番で攻略した方がいいと思います。

しかしそれでも敢えておすすめ攻略順を決めるなら、私見入りまくりですが
佐々木高綱佐藤継信or佐藤忠信平重衡
かなと個人的には感じました。

 

以下各ルート感想。

※致命的なネタバレは避けていますが完全にしていないわけではないのでご注意下さい。

 

 

 

 


後日談の感想は個別には語りませんが、前作のノリでプレイすると「甘ッッッ!?」となるのは確実でした。カレースプーンで砂糖モリモリ食べてる感じ(?)
キャラクターによって段階を踏んで義経との関係を深めていくタイプや、最初からフルスロットルでやることやってくタイプと分かれていましたが(フルスロットルタイプ多め)幸せそうな義経との姿を見られて、涙ながらに「良かったねぇ……」という気持ちでいっぱいでした。義経が大切な相手と平穏を得られてしみじみ嬉しい。
でもだいたいどのルートも男性陣めっちゃ元気っすね……という場面多くてちょっと苦笑いしてしまった。もっと義経を大事にしてやって欲しい。主に体を。

 

正規ルート、1周目は佐藤忠信
本編で出てきたシナリオがダイジェストで出るのありがたい。攻略がシンプルなのも気楽にできて良いですね。
本編では出てこなかった史実エピソードを拾っているのも嬉しかったです。
忠信が本編の攻略対象に無かったタイプで新鮮でした。まっすぐな嘘のつけなさは見ていて気持ちいいし微笑ましい。
しかし明るい忠信のキャラクターに反して結構ハードな内容のルートなので、悲恋エンドは人によってはそこそこダメージ受けそうです。甘かった後日談の後にプレイするとなおさら。平家の兄弟は相変わらずでそこは安定感ありました。

 

正規ルート、2周目は佐々木高綱
忠信同様今作攻略対象では新鮮なキャラクターでした。共に頼朝に厚い忠誠心を抱いているもの同士なのもあって、義経が高綱に抱く気持ちも理解しやすい。
このルートでも、本編では出てこなかったまた別の史実エピソードを拾っていました。
途中で(大丈夫かこれ…?)とあるキャラクターのメンタルがかなり不安になる場面があったので、正直なところハッピーエンドより悲恋エンドになる流れの方が自然に感じました。義経の気持ちを思うとこちらまで辛い。
その分ハッピーエンドの開放感はありましたが、途中であの人本当にしんどかったろうな、と思うと少しモヤモヤしてしまいました。そこが気にならなければ普通に幸せなストーリーだったかなと思います。

 

正規ルート、3周目は佐藤継信
ちょっとした部分なのですが、高綱ルートである部分を活かすためには継信の攻略は高綱の後が良さそう。
2人の関係の進展にやきもきしていましたが、そこそうくるの!?とちょいちょいなるので飽きずにプレイできました。
本編や他のキャラクターのルートでの継信のイメージを裏切らない綺麗なストーリーのルートだった分、悲恋エンドの切なさも強くてやりきれなさも大きかったです。弟の悲恋エンドとある意味真逆な内容を突きつけられて、個人的には忠信ルートと並ぶ辛い終わり方でした。
ハッピーエンドは爽やかな達成感のある内容でしみじみ幸せを噛み締められるものでした。どのルートもそうですが、バッドエンドがあるからこそハッピーエンドが輝くっていうのはあるよね……
そして継信って登場する武士の中では1番騎士感強い。

 

正規ルート、4周目は平重衡
敵であり弟であり享楽的でもあり、と様々な属性を有する重衡ルートがどうなるのか楽しみにしていましたが、いざプレイしてみたらとても楽しかったです! 正規ルートの中では1番楽しんだかも。義経と重衡の関係やそれぞれ自身の変化が嬉しくてニコニコしながらプレイしていました。
「兄弟」が好きな方には刺さりそうなルートです。本編や他ルートでも強大な存在だった知盛と、その弟である重衡はどうなってしまうのか、が1番の見どころでしょうか。ハッピーエンドが本当に幸せだった分、悲恋エンドのどうにもならなさにはもうため息しか出ませんでした。
所々出る、ある動物を連想させるような重衡の仕草が可愛かったです。

 

総括
甘く穏やかな後日談も、切なく激動の正規ルートもどっちも楽しかった!
本編からクオリティは変わらず新たな物語を見ることができて、本編が楽しめたなら買って損なしでは。満足度の高いFDでした。
でも1つ難点をあげるなら、正規ルートメンバーの後日談も見たくなってしまうことでしょうか……見たい。

さらに欲を言えばメインキャラクター原案の方の手による原画を見てみたかった気持ちはありますが新規スチルも安定したクオリティだったので不満は無いです。

結局何だかんだ言いつつストーリーも面白いしキャラクターもみんな好きになれました。ありがとうビルシャナ戦姫。